2019.1月 金井 家族信託のメリットについて教えて下さい。 | さいたま市の賃貸は株式会社 別所不動産にお任せ下さい!

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ワンポイント税務

  • 家族信託のメリットについて教えて下さい。

    2019.1月

        

    「家族信託」は、所有する資産を親族に託して、その管理や運用や処分を任せる仕組みです。
    相続と贈与との違いを考えてみましょう。

    A

     「家族信託」は、所有する資産を親族に託して、その管理や運用や処分を任せる仕組みです。信託と聞くと「投資信託」が連想されますが、これは信託銀行などが行う「商事信託」で信託業の免許が必要です。2006年の改正で営利を目的としない特定の人から信託を引き受ける場合は免許の必要がなくなり、その中でも家族に託す信託を「家族信託」と呼びます。家族信託は、自分の財産を信託する「委託者」、財産を託される「受託者」、信託財産から生じた利益を受け取る「受益者」で構成されます。ある大家さんの「家族信託」の活用例で説明しましょう。



     

     アパートの所有者であるAさん(委託者)は、将来、認知症などにかかり正常な判断ができなくなる事態を想定して、長男Cさん(受託者)に預けて管理運営をしてもらいます。そして受益者をAさん本人とすれば、家賃は引き続きAさんが受け取ることができます。この「委託者」と「受益者」が同一となるような信託を「自益信託」といいます。アパートの所有権はAさんから長男Cさんに移りますが、形式的な移転なので贈与にはあたらず税金も発生しません。

     その後、Aさんが認知症になった場合でも、アパートの管理や運営については、長男Cさんは信託契約の範囲内で、賃貸借契約や将来の大規模修繕、ローンの借り換え等を自身の判断で行えるようになります。不測の事態が生じてAさんに何らかの費用が必要となったときでも、信託契約の中で定めることによって、長男Cさんがアパートを売却して、Aさんのための資金に変えることも可能です。

     同じような場合の支援として、後見人等が本人(被後見人)に代わって財産管理や契約行為を行う「成年後見人制度」がありますが、この制度は家庭裁判所に報告し続ける等の監督を受けながら、Aさんのために財産管理を行うのが原則となるので、投資などの運用、財産の処分、相続税対策のための生前贈与などの節税対策は原則的にできません。信託なら、契約内容によっては、これらの財産運用を長男Cさんに柔軟に行ってもらうことが可能となります。

     このあとAさんが亡くなったときは、遺言で受益者に妻Bさんを指定することで、家賃収入を確保してあげられます。これは「遺言代用信託」といいます。もちろんこれはAさんから妻Bさんへの相続にあたりますので税金の対象となります。さらに、Aさんに障害を持つ次男Dさんがいるときに、妻Bさんが亡くなった後の受益者を次男Dさんに指定することも可能です。これによって両親が亡くなった後も、長男Cさんの財産運用によって次男Dさんに収入を確保してあげることが、Aさんの意思によって実行することができます。このような二代先の相続まで指定することは「遺言」ではできません。

     以上のように、家族信託は成年後見制度よりも資産活用の選択肢が広がるというメリットがあります。前述のように遺言や遺産分割協議を必要とせず、希望に沿った財産の承継先を設定できることも利点です。

     しかし家族信託は万能ではありません。

     成年後見制度や遺言でしか出来ないこともあります。信頼出来る受託者を見極める必要があり、土地・建物等の財産を委託するときは受託者へ登記・登録が必要です。
    受託者の負担も考慮しなければなりません。基本的には節税対策にもなりません。
     
     比較的新しい制度ですので活用を検討するときは、実務に十分精通した専門家から説明を受けることが重要です。

     

     

     

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