2022年2月 火災事故のときの大家さんの責任とは? | さいたま市の賃貸は株式会社 別所不動産にお任せ下さい!

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オーナー座談会

  • 2022年2月号 火災事故のときの大家さんの責任とは?

    2022.02.20

        

    ~三段構えのリスク回避策~



    賃貸物件の火災による死傷という悲惨な事件が、また起きてしまいました。私たち大家が背負う大きなリスクの一つです。

    怖いですね。この大阪北区のケースは、原因が放火であること、直近の消防の定期検査で防火上の不備は確認できないことで、大家さんの責任問題にはなっていません。

    2019年3月19日に立ち入り検査を実施していたそうですね。この規模のビルの場合、消防法では4年に1回の定期検査が義務付けられていますが、消火器や自動火災報知機や誘導灯などに不備はなかったようです。

    もし不備があり、改善の指示に従っていなかったとしたら、火災の原因がどうであれ、所有者の責任が問われたところです。所有者として消防法を遵守しておくことが大切だと痛感しました。

    でも、このビルのように、避難路が入り口付近の1カ所しかなく、窓から飛び降りることのできない高さの場合は、いくら安全対策をしていても怖いですよね。

    部屋の広さ(95㎡)からスプリンクラー設置の義務はないそうですよ。後から付けると言っても、古いビルの場合は難しいですからね。

    建物の安全対策は失火や漏電を前提としているので、今回のような原因は想定できていない、ということですね。

    居住用の賃貸建物の場合はどうでしょう?

    アパートやマンションの場合は、避難経路は玄関とベランダ側に2カ所以上ある間取りが多いですし、居室には火災警報器、通路などに消火器、規模によっては自動火災報知機が設置されているので、今回のような狭い敷地のペンシルビルよりは安全だと思います。

    そうかもしれないけど、その設備も経年劣化しますから、定期的に検査や交換をしなければなりません。もしそれを怠ると、やはり所有者の責任が問われることになる。

    法律で課された責任は遵守しておくことです。

    しかし、安全対策には限界がありますよね。賃貸建物の火災をすべて防ぐことはできないし、死傷者をゼロにすることもできませんよね。それを考えたとき、私たち大家のリスクマネジメントはどうしたらいいですか?

    例えば漏電のような設備の不具合が原因で火災となった場合は、大家や入居者が損害賠償責任を負う可能性があるそうですね。漏電が室内で起きたときは、占有管理している入居者が第1次的な賠償義務を負担しますが、損害発生防止の注意をしたことが立証できれば責任免除となり、その場合は所有者が無過失責任を負うそうです。

    建物設備が老朽化すると漏電のような不測の事態が起こり得ます。これが建物所有者のリスクですね。対策として定期点検や定期修繕が必要になります。コストがかかるけど・・・。

    一方で、保険によってリスクを軽減することもできますよ。施設賠償責任特約という、今回のテーマのような建物設備の不具合による火災で入居者や第三者に損害が生じた場合に、所有者が負担する賠償を穴埋めするという特約です。

    まとめてみると、法律で定められた安全対策を守ることで損害賠償や刑事責任から免れる。設備の不具合で事故が起きないように点検や修繕を事前に行っておく。それでも起きてしまったときのために施設賠償責任特約などの保険を活用する。このような三段構えになりますかね。

    そうですね。それにしても、火災で部屋が使用できなくなったときは、賃貸借契約を終了するか、一部焼損により家賃が減額される場合がありますので、家賃収入を確保できなくなりますよね。この損失を補填する保険として家賃補償特約があります。これは、得ることができなくなった家賃を一定期間ですが補償するものです。

    いつも思うことですが、リスクのない商売はありません。車両を使う事業なら交通事故で人に危害を与えてしまうことがあり得るし、飲食店なら食中毒の可能性もあります。今回のコロナ禍のような事態では売り上げが直撃されました。私たちの賃貸経営は、生活するためのスペースを貸す、不特定多数の人が出入りするような商売のスペースを貸すこともある、という事業ですから、人の命に関わる責任があるわけです。そのことをつい忘れてしまうと、さらにリスクが高まってしまうのですね。リスクはゼロにはできませんが、ゼロに近づけることはできると思います。そのためには手間と費用をかける必要がありますが、それを負担しても収益をしっかり確保するのが賃貸経営の妙味だと思います。これからも頑張りましょう。

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