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2020年12月 「孤独死」と「事故物件」「心理的瑕疵」を考える

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  • 2020年12月号 「孤独死」と「事故物件」「心理的瑕疵」を考える

        

    Ⓐ私のアパートで一人暮らしの60 代男性が亡く なりました。いわゆる孤独死です。5 日後に家族が発見してすぐに解約となったのですが、不動産会社から「次の借主が気にするので家賃も下げなければならない」と言われました。皆さんはどう思いますか?


    私のアパートで一人暮らしの60 代男性が亡くなりました。いわゆる孤独死です。5 日後に家族が発見してすぐに解約となったのですが、不動産会社から「次の借主が気にするので 家賃も下げなければならない」と言われました。皆さんはどう思いますか?

    貸室を事故物件として扱う、ということですかね?「孤独死=事故物件」という考え方ですよね。これが一般的な判断なのでしょうか。

    あるいは心理的瑕疵物件とも言ったりしますね。「入居者が嫌悪するような事実が過去におこった物件」という意味のようです。

    つまり次の借主に告知するということですね。

    でも孤独死のあった貸室はすべて事故物件や心理的瑕疵物件になるのですか?

    納得いかないですよね。「入居者が嫌悪する」というのは、たとえば自殺なら理解できます。自殺は相続する遺族や連帯保証人に賠償責任を認めた判例がありますから事故物件といえると思います。次に住む人の嫌悪感も理解できるので心理的瑕疵物件ともいえると思います。殺人事件でも同じですよね。でも孤独死を事故と考えるのは納得できませんね。

    法律的な定義はどうなっているのですか?

    明確な定義はないようです。

    確かに、前の入居者が一人で亡くなった部屋を嫌う人は多いでしょうね。

    でも事故物件の判定は大家に深刻な影響を与えるのに定義が曖昧すぎますね。Aさんが告知しないで賃借するとどうなりますか?

    借主が入居後に事実を知ったときに「知ってたら借りなかった」とクレームを言ってくる。 最悪は「損害賠償しろ」と裁判になる。

    面倒ですね。ハッキリした指針はないの?

    今年の春に「全宅連」という不動産業者の団体が「住宅確保要配慮者等の居住支援に関する調査研究報告書」を発表しました。そこで孤独死と事故物件の考え方を整理しています。その内容を要約すると
         

    うん、だいぶ明確になりましたね。

    「告知の必要ない」というのは力強いですね。

    ②はなぜ告知が必要とされたのでしょう?

    借主が入居後に近隣から孤独死の事実を知る可能性が高いからです。その可能性も心理的瑕疵の判定のひとつになるみたいです。

    確かに、借主が知る由もなければ心理的瑕疵もない訳ですね。

    この報告書では、「住宅内で人が亡くなるのはあり得るし、病気や老衰による死を責めることはできないから当然に孤独死は事故ではない」としています。

    明確で理屈が通ってる。

    法的な根拠がある訳ではないのですよね?

    そうですね。しかし後日、借主側と意見の相違がおきたときに貸主側の見解の背景として強力な拠り所にはなると思います。万一訴訟となったときの裁判所の判断にも影響を与える可能性もありますよね。

    ではAさんは告知しないで通常の家賃で募集しますか?5 日で親族が発見しているし近隣でも話題になっていないでしょうから。

    そうですね。この事実を不動産会社と相談して最後は自分で決断します。皆さんの考えと教えていただいた調査研究報告書の内容はたいへんに参考になりました。

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