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  • 2022年5月号「不適切な盛土の公表について」と「サブリースに業界停止命令」

    2023年5月5日

        

    「不適切な盛土の公表について」と「サブリースに業界停止命令」


     まだ記憶に新しい静岡県熱海市での土石流災害(2021年7月)がきっかけとなった盛土規制法が今年5月に施行されます。先の土石流災害では実に27名もの尊い命が犠牲になり、今も1名の行方がわかっていません。この大災害の要因は放置された盛土と言われています。行政も盛土の存在を把握しておきながら、実効的な対策がとれなかったことが大きな反省点となっていました。盛土に関しては、これまでも高さや角度、排水などの義務が課されていましたが、森林法宅地法農地法など、土地の用途に応じて規制が異なっていました。結果として、それぞれの法律規制を逃れる土地が多数あることが熱海災害以降の調査でわかったのです。こうして見過ごされてきた抜け穴を防ぐため、新しい法律では盛土の安全基準を一定のルールで統一して規制します。さらに、違反者には厳しい罰則が課されることになっています。
    国交省によると、盛土規制法は、
    1)隙間ないルール
    2)安全性確保
    3)誰が責任を持つか明確に
    4)効果的な罰則
    の4つを基に作られました。
     具体的には、都道府県知事や市長らが、住宅に被害が出るかもしれない地域を盛土の規制エリアに指定して、その場所での盛土は許可が必要になりました。盛土する場所には、地形や地質に合わせて災害を防ぐ基準を作り、工事の途中と終わりを行政が検査します。国は各都道府県に、公表が必要な不適切盛土についてのガイドラインを示しているとされます。熱海での災害が法改正のきっかけとなった静岡県では、ガイドラインを基に、調査でわかった不適切盛土196カ所を公表する予定のようです。地元紙によると、県はこれまで土地の所有者が特定されることを理由に非公表としてきましたが、公表することで不法行為を抑止する公益性が高いと判断したようです。不適切盛土が周知されれば、周辺の土地利用や資産価値への影響が考えられますが、行政も人命を優先した対応に舵を切ったようです。今後、全国の自治体でも同様の動きが予想されます。静岡県では法改正以前の昨年7月に独自の盛土規制条例を施行しており、所管の静岡県警は条例に違反している土地の捜査のためにドローンを活用しているようです。悪質な盛土は不動産オーナーにとっても対岸の火事ではありません。人命と財産を脅かす悪質な盛土を規制する動きに注目しましょう。


     今年の3月10日、国土交通省は東京都内にある賃貸住宅管理会社に対し、賃貸住宅管理業法に基づく行政処分を初めて実施しました。この法律は一昨年の6月に施行されたもので、賃貸管理事業者と不動産オーナーとの契約や業務に関するトラブルを未然に防ぐことを目的としています。国交省によると、今回処分を受けた事業者は、オーナーとサブリース契約を結ぶ際に必要事項を記載した書面を交付しなかったそうです。
     また、入居者から受領する家賃、敷金、共益費などを、他の金銭と分別管理していなかったとのことです。国交省は処分対象となる管理会社に対し、15日間の業務停止命令と6項目にわたる業務改善命令を出しています。この賃貸住宅管理業法の主なポイントは以下の2つとなります。

     法律によりサブリース契約では、全てのサブリース事業者は「不当な勧誘行為」や「誇大広告」を禁じられました。具体的には、契約したサブリース家賃が将来に減額される可能性があることを告知することが義務付けられました。
    また契約締結時には、家賃や契約期間を記載した書面を交付し、オーナーに契約内容を説明することが求められています。今回処分を受けた管理会社は、これらの規定についても守らなかったとされています。
     賃貸住宅管理業法は「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」が正式名称です。そもそも、シェアハウス「かぼちゃの馬車」事件が社会問題化したときに、賃貸管理会社の実態把握が十分でなく、オーナーに不利益なサブリース契約が広まっているのを問題視したことが、法律施行の契機になったと言われています。行政による実態把握のために、200戸以上の管理戸数を持つ事業者は国土交通大臣へ登録が必要となりました。これにより、従来は任意の登録制度のみで法律上の立場が曖昧だった賃貸住宅の管理ビジネスに明確な基準が設けられました。
     賃貸不動産経営管理士が国家資格化されるなど、業界の適正化と発展が期待されています。今回、新法に基づく行政処分が初めて行われたことで、業界全体に警鐘が鳴らされ、さらなる清浄化が促されることが期待されます。

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