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  • 2022年6月号 SNS(ソーシャルネッットワークサービス)と経営塾

    2022年6月25日

        

    SNSの特徴を利点にする。

     SNS というワードを聞くようになって久しいです。SNS とは、フェイスブック、ユーチューブ、ツイッターなど、個人が情報伝達できる媒体のことです。10 数年前に起こった反政府デモ「アラブの春」ではSNS が大きな力を発揮したといわれています。いまウクライナで起こっている戦争でも同様です。SNS は、国やマスメディアに独占されていた情報発信を個人でも容易にしたことで、大きな影響力を持つようになりました。あらゆる面で、個人では知ることが困難だった情報に触れられるようになりました。それは賃貸仲介や賃貸経営の世界でも同様です。

     大家さんが賃貸経営を学ぶには、本を買うかセミナーを聞く必要がありましたが、今は無料でブログや動画が公開されていて、有料と遜色ない質の高いものもあります。半面、個人の自由発信なので誇張や間違いが含まれている場合もあるので注意する必要はありますが、これはSNS の良い面と言えます。反対に困ったことも起こっています。

    「手数料は0.5ヶ月でよい」と考えるSNS
    ここ数年来、賃貸仲介の現場で「手数料を家賃の0.5 ヵ月分に」と交渉するお客様が増えているそうです。仲介会社が物件の内見前に「手数料は1ヵ月分です」と説明して了承を得ていても、契約の時になって「0.5 ヵ月分に」と交渉して、受け入れないとキャンセルされるケースもあるようです。
    原因の一つがSNS で、「借主の仲介手数料は0.5 ヵ月分でよい」と教えているブログや動画があり、多くの視聴回数を獲得していることです。

     賃貸の仲介手数料は国の告示によると、「貸主と借主から0.5 ヵ月分ずつ合計1 ヵ月分を超えてはならないのが原則」とされています。しかし、「承諾を得ればその限りではない」となっているので、上記の仲介会社の対応に法的な問題はありませんし、多くの会社で行われています。しかし契約の段になって「下げなければ契約しない」と言われたら無理に強要はできません。断れば別の仲介会社に「この物件の仲介をできますか? 手数料はいくらですか? 見積りをお願いできますか?」と行かれてしまうこともあります。そう教えていて多くのファンがいる人気のSNS もあるのです。

     都心の賃貸仲介会社の店長は「若者に節約志向が増えたことと、ユーチューブなどのSNS の影響で手数料の値引き交渉が多くなっているのは事実です。このようなお客様を受けて『物件資料を持ってくれば当社で契約だけします』とアピールする仲介店舗もでてきました。賃貸仲介ビジネスを壊す行為だと思っていますが、そういう業者は昔からいましたね」と表情を曇らせていました。

    「退去費用を ”ほぼ無料” にできる方法」
     SNS で教えているのは賃貸仲介料の値引き方法だけではありません。大家さんの収入と支出に関係する内容もあります。登録数199 万人(4 月時点。これはかなり多い)のユーチューブチャンネルで、たとえば「賃貸物件の退去費用をほぼ無料に出来る方法」というタイトルの動画は、250 万回(これもかなり多い)も再生されています。

     小一時間の動画を視聴した感想は、貸主側が国土交通省のガイドラインに沿った賃貸借契約書を使っていれば、ほぼ無料にすることは無理と思える内容でした(もちろん特約の内容によります)。しかし、これを退去する借主が見て理論武装してくるのは事実です。他にも「家賃を下げる方法」とか「賃貸の部屋を安く借りる方法」といった動画も人気があって再生回数を伸ばしています。貸主としては気になるタイトルには違いないと思います。

    賃貸経営の基本を守れば怖いものはない
     だからといって過度に反応しても仕方ありません。24 年前の平成10 年に建設省(当時)の原状回復ガイドラインが広まったとき、今まで「敷金は返ってこないもの」と思っていた消費者が、本来の原状回復の定義を知ったことで敷金精算の慣習が変わったことがありました。同じようなことが細部において、SNS によって周知されていくのだと思います。貸主側は法律に基づいて賃貸経営をしているなら何も困ることはありません。
    ただ法律上のことですので、契約前の説明と、契約書類等を適正にしておくことは重要です。それができていたら、SNS の情報を曲解した借主でも問題なく対応できます。何よりも入居中の借主と良い関係を築いておくことが一番の対処法でしょう。

     SNS では、このようなお金の節約系だけでなく、物件や物件のある地域に対する良い評価が発信されることもあります。プラスの情報を貸主側が積極的に発信していくことも可能です。マイナス面だけに注目せずに、誰でも情報の発信側になれるというSNS の特徴を利点にすることもできるのではないでしょうか。

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