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2021年2月 増していく保証会社の意義について考える

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  • 2021年2月号 増していく保証会社の意義について考える

        

    昨年12 月に朝日新聞が「家は借りやすくなったのか?家賃保証会社が必須の時代」という見出しの記事を掲載し、話題になりました。


     記事は賃貸住宅の契約時に、家賃保証会社滞納保証会社・以下保証会社)が必須になっている物件が増えていることをテーマにしています。保証会社との契約に加えて保証人を求められることもある現状を指して、「ダブル保証」は必要なのか疑問を呈する内容になっていました。

     この記事にはSNS などで「保証会社はいらない」、「家主だけが得する仕組み」といった声と、「一方的な保証会社不要論には反対」、「保証会社はありがたい」といった大家さんや不動産関係者の声が錯綜しています。

    かつて保証会社は「追い出し屋」などと指弾されることもありましたが、現在では複数の企業が株式上場するなど社会的な地位も確立されてきているように思います。一方で、賃貸住宅業界の外からは保証会社の存在そのものに疑問を呈する声もまだ少なくありません。保証会社の現状についてまとめてみます。



     国土交通省の調べによると賃貸住宅の契約において約97%が何らかの保証を求めており、約60%が保証会社を利用しているそうです。(国土交通省平成28年)家賃保証業は1980年代から存在したと言われていますが、賃貸管理会社が管理物件に対してのみ保証を提供しているケースや、貸金業者が副業として行っていることが多かったようです。

    現在のような単独のビジネスとして成立したのは2000年代に入ってからで、2006年から2010年にかけて全国的に多くの保証会社が設立されています。2004年には、当時、最大手の保証会社リプラスが設立からわずか2年で株式上場するなど、保証市場は急拡大しました。

    しかし、リプラスは2008年には過剰な投資が重荷になり経営破綻。業界最大手の破綻で保証会社への信用不安が増したことに加えて、2008年におきたリーマン・ショックによる経済不安で雇用状況が急速に悪化。家賃滞納が急増し、複数の保証会社が破綻してしまいました。

     関東の中堅管理会社の経営者は「『保証会社が破綻したら、滞納家賃の回収はどうするんでしょうか?』と社員に聞かれ『君がやるんだよ』と答えたら、驚かれたことを覚えています。管理物件のほとんどで保証会社を使うようになっていて、家賃回収の能力が管理会社の中から無くなっていました」と、混乱した当時の状況を振り返ります。

     また急速に滞納が増加したため悪質な取り立て事例が増加し、「追い出し屋」と言われ社会問題化したのもこの時期です。貸主に対しても「追い出し屋」の使用責任を認め、賠償を命じる判決が出されるなど業界をあげての対策を求められるようになりました。




     保証会社では一般社団法人全国賃貸保証業協会を設立し、独自の信用データベース機関LICC(リック)を作るなど保証業務の適正化に努める動きがでてきました。その他にも保証業による業界団体が作られました。またカード会社が保証業務を担うなど、貸主・借主双方にとっての選択肢が増え、2010年代に入り4社の保証会社が新たに株式上場するなど、保証業は賃貸住宅市場になくてはならない存在になっていると言えます。

     また、住宅困窮者に対する支援を行っているNPOの主宰者は「かつてはNPO のスタッフが一人で数十人の保証人になっていることもあったが、いまは保証会社に依頼できるようになった。保証会社なしでは活動は難しい」と語っています。現在は自治体も住宅困窮者へ保証会社を紹介しており、社会を維持していくセーフティーネットになってます。

    一方で、冒頭の「ダブル保証」については業界内にも疑問の声は多く、大手保証会社の中にも明確に反対している企業もあります。「保証会社が家賃滞納のリスクを熟知したプロとして保証することで、対価として保証料がいただける。そのリスクを他の保証人に丸投げするならば、存在意義はない」と語ります。賃貸経営には保証会社はなくてはならない存在です。保証ビジネスのあるべき姿について、業界全体で考えることが必要なようです。

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