2026年1月 賃貸業界のニュースから 吉村 | さいたま市の賃貸は株式会社 別所不動産にお任せ下さい!

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  • 2026年1月 賃貸業界のニュースから

        

    2025年を振り返る記者座談会 ~2025年の賃貸業界が直面した「多角的な歪み」を鋭く語ってもらいました~

    A氏…40代前半。業界20年近いベテラン記者。事件取材が得意で週刊誌など幅広く執筆。
    B氏…30代中盤。テクノロジー系ニュースに強いネットメディア記者。
    C氏…20代後半。経済雑誌で不動産・建設を担当する記者。


     外国人オーナーの急増と賃貸市場への影響 
     A :2025年はいつにも増して、外国人に関する話題が多かった。外国人が賃貸マンションを購入してオーナーになることも珍しくなくなった。
     B :東京の板橋区で外国人オーナーが入居者に対し、家賃を2.5倍まで引き上げるという極端な値上げを通知して、大きな問題になりました。
     エレベーターを停止するなど、まるで昔の地上げ屋みたいな強引な手法には社会の批判が集まりました。
     C :テレビのワイドショーでも取り上げられたことで、慌てたオーナーが値上げを撤回したようです。しかし、その後も、野次馬が増えてしまって住民は迷惑しているとか。
     どうやらオーナーは民泊に改装するために退去させたかったのではと言われています。

     A :これは極端な事例だけど、円安を背景にして海外からの不動産投資が増えている。
     このあたりは国としても無視できない問題になりつつあって、「外国人の不動産購入を禁止しろ」と極端な主張をする政治家も出てきた。
     あまり急激な変化はマーケットに悪い影響があるし、慎重な議論が必要だろう。
     B :今年も物価高が続き、建設費や維持費が右肩あがり、つられて賃料全体が上昇しています。
     C :賃貸業界全体が強気になってきたように感じます。都市のある管理会社のデータでは、入居者の入れ替わり時で平均8%、契約更新では3%の家賃アップだったそうです。
     更新時の引き上げに、すんなり応じてくれる入居者も増えてきたとか。

     儲かる不動産にご用心、また投資被害 
     A :2000億円規模の不動産ファンドが社会問題になっている。
     「年利7%、元本保証」を謳い文句に、多くの個人投資家から2000億円を超える資金を集めてきた「みんなで大家さん」が、何ヶ月も配当停止だ。
     B :開発計画は遅々として進まず、今では1000人以上が参加する集団訴訟が進行しています。

     C :このスキームは「不動産特定共同事業法」(不特法)に基づいたもので、投資家は「みんなで大家さん」を通じてプロジェクトに投資し、そこから得られる収益を配当として受け取る仕組みでした。
     そして、5年間の運用後には出資金が全額返金される予定だったんですよね。
     A :だけど、開発用地はずっと造成中のままで建物は何も建っていない。それなのにグループ会社からの「家賃」が入っていて、それを配当に回しているという説明だったが、さすがに不信に思う人も多かった。
     それにしても、「みんなで大家さん」という商品名のわかりやすさに前のめりになった人も多そうだな。

     C :他のファンドも含めて、ネットで気軽に始められるということで、多くの人が参加するようになってリスクの見極めなど知識が追い付いていないように思いますね。
     法律や規制の在り方も含めて、議論されるようになってきました。
     A :またか、と感じる人も多そうだ。

     内見できない物件が急増 
     B :賃貸仲介まわりでは、『内見できる部屋が少なくて、お客さんに物件候補が出せない』という嘆きが多く聞かれました。都内の賃貸仲介店によると、ポータルサイトに載っている部屋に問い合わせても、すぐに内見可能な物件は10%もなかったそうです。
     C :実は、ここ数年で、こうしたミスマッチが常態化してしまっているんですよね。
     それが特に顕著になるのが、年明けから続く繁忙期です。

     B :10年~15年くらい前から、賃貸管理会社の多くが2ヶ月前の退去通知を求めるようになりました。
    これで、まだ居住中なのに「空室予定」として募集される物件が増加しました。
     そういう物件は内見できないため、部屋探しをしているユーザーが仮申込でキープするようになったようです。
     C :仲介現場で「とりあえず申込」が横行するようになりました。
     オンライン申込システムの普及もあって、複数の物件に同時に手続きを進めることが容易になった結果、後でもっとよい物件が見つかれば、全部キャンセルしてしまう。
     結果、複数の物件が「申込中」のままになっていて、他の入居希望者が内見できない状況が続くんです。
     B :さすがに業界全体でのルール作りも必要な時期かもしれません。

     人手不足のしわ寄せがジワリ。置き配に賛否 
     A :今年は3月から4月にかけての引っ越しラッシュについて、国土交通大臣が引っ越し時期の分散を要請した。
     この時期は年間平均の2倍近い引っ越しがあるので、トラックドライバーに負荷が集中して運送業界がパンク寸前だという。
     C :しかし、多くの人は入学や入社に合わせて引っ越しするため、個人による調整には限度がありますよね。
     A :国交省では民間企業に対しても異動時期の分散化を要請しているけど、もう4月始まりの慣習は日本社会に深く根付いているからなかなか難しい。
     だから、いっそ家具・家電付き賃貸が普及するきっかけにしたらいいと思っているんだよな。日本でも普及すれば、引っ越し時の大型家具の移動が不要となり、トラック運送の負担も大幅に軽減されるのは間違いない。
    特に単身者や短期居住者にとっては、家具の購入や処分の手間が省けるメリットは大きいと思うんだけどな。
     C :家具レンタルの事業者は確実に増えていますし、利用も増加中のようです。
     不動産業界やオーナーにとっても売上を伸ばすビジネスになるかもしれないですし、こちらも2026年に継続して気になる話題ですね。

     A :ちょっと関連する話題として、マンションの置き配問題が炎上したのには驚いた。
     政府がマンションのオートロックを配達員が解錠できるシステムの作成を支援する、という誤解が発端だったようだ。実際は、政府が支援するのは既存の解錠システムの連携にすぎなかったんだけど。
     B :置き配などで簡便化しないと物流現場が立ちゆかないのは間違いない。
     でも、管理の現場では盗難やストーカー被害の懸念も出ていますよね。
     置き配が生活リズムや居住情報の手がかりになるリスクが指摘されていて、管理側はむしろ負担にしかならない、と。
     A :置き配が「物流の省力化」を実現しても、「住環境の安全」が揺らいだり、管理サイドの負担ばかり増えたりすると成立しない。
     つまり物流と集合住宅の管理をセットで制度設計する必要がありそうで、これは2026年の大きな課題になりそうだ。

     人口減少社会の課題?クマ被害が急増 
     A :それにしても、今年はクマ被害が深刻化したね。
     被害が多い地域を見ると、山間部が多くて、人口減少しているところと重なる。
     B :住宅着工も減っている地域です。現場では物件周辺の柿の実を落としたり草木を刈ったりという手作業の対策しかできていないんですよね。
     ある不動産会社の代表は、『クマ出没リスクも物件情報として扱う段階に来ている』と語っていました。

     C :こうして振り返ると、2025年の賃貸市場は「賃料」「管理」「安全」の三つが同時に揺れた一年でした。
     海外マネー、物流不可、人口減少― 外からの圧力が一気に顕在化したように思います。
     B :数字を見ても、従来の前提が通用しない局面に入っています。都市部では賃料は上昇、でも地方では供給そのものが大幅に減少、管理現場は人手不足で逼迫している。
     取材現場でも従来とはまったく別の声を聞くようになりました。
     A :話題の多さが、それを象徴していた。炎上や事件に振り回されたというより、実は賃貸住宅が社会インフラとして問われ始めた一年だったのかもしれない。

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