空室対策
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2023年3月号 管理スタッフからの現場レポート
2023年3月25日
適切な退去処理が入居率を上げる。
3月は退去が一番多い月です。今月は退去にまつわる賃貸管理業務をレポートいたします。
同じ3月でも月末の退去は頭が痛いものです。学生さんの場合、就職先が決まっているなら引っ越しも早めてほしいのですが、配属先が分かるまでは転居先が決められない、という事情で月末まで引っ張られることがあります。たとえ
勤務地が決まっていても、転居するアパートの借主の退去が同じ事情で遅れると、「引っ越したくてもできない」という事態も起こります。これは避けられないことですが、退去が3月ギリギリだと、その後の原状回復工事をどんなに急いでも、お客様の内見や入居が可能となるのは4月に入ってしまいます。繁忙期を逃すとお問合せが極端に減るので頭の痛い事態です。そこで、少しでも早く退去してもらうために「3月10日までの退去なら日割り家賃は免除する」などの特典を提示することもあります。
さらに退去日を早めるだけでなく「退去から入居可能となるまでの時間を可能な限りに短くする」ことも重要です。管理スタッフは退去立ち合いのあと、すぐに工事業者さんから見積りをとります。もし、壁や床に傷があるなど故意・過失による工事が含まれる場合は、借主に負担額を伝えて承認してもらう必要があります。
大家さんにも、通常の原状回復工事以外でご負担がある場合は承認を得る必要があります。そのうえで工事発注となりますが、ここで数日を要してしまうと、その期間だけ工事完了が遅れて、お客様の内見や入居が可能となる日が遅れてしまうので、たとえ一時（ひととき）でも短縮することが重要なのです。
さらに縮めたいのが「工事期間」です。3月は工事業者さんも忙しいので、希望だけを聞いていると完了日が遅くなります。こちらから「完了希望日」を決めて伝えることが大事です。そのために、無理を聞いてもらえる関係を日ごろから築いておくことに注力しています。こちらが仕事を発注する側だからといって、上から強く申し伝えるような態度はとらないように、管理スタッフとして気をつけています。退去後の工事が滞ると、つぎのお客様に公開できるタイミングが遅れますし、新しい借主さんの入居に支障がでますので、この「時短についての認識」はとても重要です。
3月は学生さんの退去が多いのが特徴ですが、そこで持ち上がるのが「ゴミ」の問題です。引っ越しは「処分したいゴミ」が大量に出るものですが、そのままゴミ置き場に捨てられては大変です。そこで、退去が決まったら、ゴミを計
画的に処分するようにお願いします。特に粗大ごみは、自治体ごとに回収の条件や予約方法がホームページで説明されていますから、そのアドレスなどを伝えて、退去の前に処分を完了させるようにお願いします。これは「指導する」といってもよいレベルです。また、「ゴミ置場に引っ越しゴミが残置された場合は撤去費用が請求されます」という罰則を科すのも良いアイディアだと思います。
学生さんに限らず、退去連絡を受けると「退去までのチェックリスト」を書いた書面を借主さんに渡します。そこには、前述の「ゴミ処分」のほかに、電気・ガス・水道の解約、住民票の転出届け、各契約関係の住所や連絡先の変更、
引っ越し時の忘れ物への注意、などが列挙してあります。この変更手続きや忘れ物に、最近は変化が起こっています。今月の「賃貸業界ニュースから」でも紹介されていますが、借主さんが利用している通販サイトに登録してある届け
先の変更が「見落とされがち」なのです。利用している通販サイトは一つや二つではなく、中には二桁となる方もいますので、変更漏れが起こりやすくなっています。それでも、引っ越し後に商品を注文するときに気付いてくれればよ
いのですが、そこでウッカリされると、前の住所地の宅配ボックスに商品が入れられたり、玄関前に置き配される、という事態が起こっています。それを保管して転送するという、私たちに降りかかる面倒な手間を防ぐために、退去が
決まった借主さんへの注意すべき事項が増え続けている、という次第です。
退去者の忘れ物は新しい入居者を迎え入れるための準備の足を引っ張ります。立つ鳥に跡を濁させないように、さらに声かけや意識付けをしておきましょう、という調査結果でした。
