空室対策
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2025年12月 空室対策、はじめの一歩。
「高速ネット無料」はなぜ最強か? ~5,500万人のゲーム市場を狙う賃貸住宅の新戦略~
最新の人気設備ランキングで「高速インターネット無料」が「家賃が高くても入居が決まる設備」の1位となっていることは、多くのオーナー様がご存知かもしれません。
しかし、「なぜ人気なのか?」その理由を深くご存知でしょうか。
単に「リモートワークや動画視聴のため」だけだと捉えると、大きなビジネスチャンスを逃す可能性があります。
今回は、50代以上のオーナー様には少し以外かもしれない、その背景にある「巨大市場」と、そこから導き出される「新しい賃貸コンセプト」をご提案します。
① 市場データが示す「ゲーマー」という巨大市場
「ゲームは一部の若者の趣味」という認識は、もはや過去のものです。『ファミ通ゲーム白書2024』によれば、2023年の日本国内のゲーム人口は約5,553万人に達し、これは国民のほぼ半数がゲームに親しんでいる計算になります。
さらに、国内のオンラインゲーム市場規模(2024年)は1兆105億円と推計されており、これは無視できない巨大な「消費者市場」です。この巨大市場の中心こそが、賃貸物件のメインターゲットと重なります。
最新の「ゲーマー国勢調査(2024-2025)」によれば、1.4万人超の回答者のうち、「20~30歳代前半」の層が全体の半数以上を占めています。
「ゲーマー市場」の規模
*国内ゲーム人口 約5,553万人 国民のほぼ半数!
*国内オンラインゲーム市場 約1兆105億円(2024年推計)
*PCゲーム市場の伸び 前年比+24.9%増
② なぜ「高速(High Speed)」でなければならないのか
この「20~30代の単身者層」が、なぜ「無料」なだけでは満足せず「高速」な回線を求めるのでしょうか。
それは、彼らの多くが「PCゲーマー」であるためです。
『ファミ通ゲーム白書2024』によると、国内ゲーム市場全体の中で、アプリゲームがほぼ横ばいなのに対し、PCゲーム市場は「前年比約24.9%増」という驚異的な伸びを示しています。ゲーマー国勢調査でも、全体の70%がPCでゲームをプレイしていると回答しています。
彼らがプレイする対戦型オンラインゲームでは、仲間との通信や操作の「タイムラグ(遅延)」は、勝敗を分ける「致命傷」となります。
だからこそ彼らは、「無料」であること以上に「高速かつ安定している」回線を、家賃を払ってでも求めているのです。
③ 理由が分かれば「次の一手」が見える
この「PCゲーマーという入居者像」を具体的にイメージできると、オーナー様が取るべき空室対策は、単なるネット導入に留まりません。
「高速ネット」を導入するということは、この1兆円超の巨大市場にアプローチする「入場券」を手に入れることに他なりません。
人気設備の「理由」を深堀りし、入居者のライフスタイルに合わせた「コンセプト(防音・宅配)」を加えること。それこそが、これからの賃貸経営に求められる戦略的な「空室対策」ではないでしょうか。
コンセプト:「ゲームに集中できる部屋」
戦略1 「防音性」の強化
オンラインゲームでは、仲間とボイスチャットで連携するため、白熱して大声になりがちです。
これが騒音トラブルの原因になってしまっては元も子もありません。「高速ネット完備」に加えて「防音性に配慮(例:二重サッシ、防音材の使用)」をアピールできれば、競合物件との圧倒的な差別化になります。
戦略2 「室内完結型」のライフスタイル支援
彼らは一度ゲームを始めると、長時間部屋にこもることが多いライフスタイルです。
そこで、「近所にコンビニがある」、「Uber Eatsなど宅配エリア内」といった情報や、「宅配ボックス」の設置(食料や飲料、ゲーム機材の受け取りに便利)が、入居の決め手として非常に強く響きます。


