2024年2月 管理スタッフからの現場レポート 齋藤 | さいたま市の賃貸は株式会社 別所不動産にお任せ下さい!

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賃貸経営塾

  • 2024年2月 管理スタッフからの現場レポート

        

    賃貸経営の収益向上とテナント・リテンションとは?

    賃貸管理に初めて就いたとき先輩から「テナント・リテンション」という言葉を教えられました。大家様はご存じですか? テナントは「借主」の意味で、賃貸住宅なら入居者さん、店舗や事務所なら事業者さんのことです。リテンションとは「保持する」という意味で、訳すなら「借主が賃借する目的が快適に達成でき、かつ永く活用してもらうこと」となるそうです。「これが賃貸管理の理想形だね」と先輩は説明したのですが、聞いていた私は「うーん」という感じで現実味がありませんでした。賃貸管理とは、クレーム処理や建物と設備のメンテナンスが主な仕事と思っていましたから、「借主の満足が重要」という考えにピンとこなかったのです。

    賃貸部門は、仲介担当と管理担当と分かれているところが多いです。前に社内で「我々のお客様は誰か?」という議論になったとき、仲介担当は「当然にお部屋を探すお客様」と答え、われわれ管理スタッフは「もちろん大家さん」と答えました。同じ会社で働くスタッフが、それぞれ別のお客様に尽くそうとしているのは面白いと思いました。大家様と借主さんは利害が対立しているところがあります。一方は「なるべく高く貸したい」と思い、一方は「少しでも安く住みたい」と考えます。一方は「なるべく経費は使いたくない」と思い、一方は「便利な設備や綺麗な空間がほしい」と考えるからです。では、われわれ管理スタッフは、大家様の利益を代表する者として、利害関係にある借主さんと相対するべきなのか、と議論が煮詰まってしまいました。その答えは「テナント・リテンション」にあったと気が付いたのです。

    大家様が賃貸経営で収益をあげる条件のひとつこそ、「借主が賃借する目的が快適に達成でき、かつ永く活用してもらうこと」なのですね。つまり借主の満足が大家さんの事業成功のひとつの条件となります。となれば、大家さんの利益のために、大家さんのお客様の満足に尽くす、という考えに矛盾がなくなります(そうは言っても、クレームの現場に立てば、双方の言い分の間に挟まれて、理想通りにいかないことが多々あるのですが)。

    これが賃貸管理における「テナント・リテンション」の重要性です。では、私たちの賃貸管理の、どこにテナント・リテンションの精神が宿っているのでしょうか?

    たとえば「クレーム対応」という、
    賃貸管理の中でも重要な業務があります。普通に考えれば、現場で処理をして、借主がクレームを言わなくなったところで業務終了です。しかしテナント・リテンションでは、このクレームの再発防止を考えます。トラブルが起きないことが借主の最善なわけです。もうひとつ、防ぎきれないトラブルの場合でも、解決させる過程で借主を「ここまでやってくれるか」と感心させる行動がとれないか、という課題もあります。実際にトラブルが起こらなければ、トラブル対応力を知っていただけないからです。理想的な話しですが、トラブルによって借主さんから感謝されたら、それこそ
    テナント・リテンションだと思います。

    更新契約にも、
    テナント・リテンションの精神があります。私の会社の地域は、2年ごとに更新契約をする慣習ですが、普通に考えれば、郵便などで更新通知を出し、合意文書を取り交わし、更新料などの入金を確認して業務終了です。しかし、良い借主さんほど、2年間、一度も交信の機会がない場合があります。家賃滞納はもちろん、トラブル元になることも、クレームを言うこともなく過ごしていただいた借主さんです。このような借主さんには永く暮らしていただきたいですよね。更新契約という、せっかくの機会なので、2年間の感謝を伝えて、不具合や要望などを確認する時間とするのが理想です。

    建物と設備のメンテナンスも、
    賃貸管理の重要な業務のひとつです。目的は、大家様の物件価値を、なるべく少ない費用で維持し、入居率と賃料条件を高く保つことですが、それには借主さんの満足が不可欠になります。言い方を変えると、借主さんの満足があるから、入居率と賃料条件を高く保つことができます。定期点検で設備が不具合になる前に処置するのもテナント・リテンションです。

    日常清掃で共用スペースを綺麗に保つのも、自転車置き場を整理するのも、エントランスを草花で彩るのも、すべて同じ考えに基づくものです。

    「賃貸管理にはテナント・リテンションの精神が理想形」という先輩の言葉が理解できるようになりました(現実は簡単ではありませんが)。

    物件よって家賃やターゲット設定は異なりますから、一様に顧客サービスを最上にすることが正解ではないと思います。あくまでも、われわれ管理スタッフのお客様は大家様、という前提を忘れないで、借主さんに満足してもらえる賃貸管理を続けていきたいと思っています。

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