賃貸経営塾
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エアコン「2027年問題」を設備更新計画に変える
“壊れてから”ではなく、計画的に更新する経営へ
省エネ法の「トップランナー制度」に基づき、2027年4月 から、賃貸住宅で一般的な壁掛け型を中心に家庭用エアコ ンの新たな省エネ基準が始まります。
これに伴い、不動産業界の一部では「低価格帯のエアコンが買えなくなるのでは」 といった不安の声も聞かれます。
結論から言えば、現在使用中のエアコンが直ちに使えなくなったり、違法になったりするわけではありません。
しかし、この制度変更を機に「エアコンの調達と交換計画」 を見直すことは、非常に有効なリスクヘッジとなります。
今回は、賃貸経営における「設備の計画更新」の実務を解説します。

2027年度以降、メーカー等は、区分ごとに年度内の出荷台数を踏まえた平均値で、目標基準を満たすことが求めら れます。
個々の製品が基準を下回ったからといって、製造・出荷が一律に禁止される制度ではありません。
また、所有者に 既存エアコンの一斉交換が義務付けられるわけでもないため、「古いからすぐ全部交換しなければ」と焦る必要はありません。

制度そのものより警戒すべきは、市場の変化に伴う「調達・ 交換時の経営リスク」です。
今後、次のような影響が考えられます。

特に「夏の入居中の故障」はクレームに直結し、数週間の工事待ちが発生すれば、緊急手配による費用も割高になる 可能性があります。

資金繰りを守るため、「古いから一斉交換」でも「壊れるまで放置」でもない、戦略的な分類を行います。
所有物件のエアコンを次の3つに仕分けします。



まずは①を最優先で空室時や閑散期に交換し、②は年度ごとの予算に組み込んで計画的に更新していきます。

設備の入れ替えは、「目の前の本体価格・工事費」だけで判断せず、ライフサイクル全体で比較検討することが重要です。

資源エネルギー庁の試算では、現行の2010年度基準と 2027年度基準を比較した場合、6畳用で年間約2,760円、 14畳向けで年間約1万2,600円の光熱費削減効果が示されています。
電気代を負担するのが入居者であっても、この光熱費削減は「実質的な居住コストの引き下げ」となり、募集時の有力な訴求材料になります。
※光熱費は一定の条件に基づく試算であり、地域や使用状況、電気料金などによって異なります。

「壊れたら入居者から連絡を受けて慌てて手配する」とい う受け身の経営から脱却するためには、各住戸の状況を可視化することが不可欠です。
全住戸の「設置年」「メーカー・型式」「能力」「修理・故障履歴」「更新優先度」を一覧化した『設備更新台帳』を作成しましょう。
この台帳があれば、論理的な予算管理が可能になります。
2027年度の制度変更と、次の夏に向けて、まずは台帳作りから始めてみてはいかがでしょうか。



