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賃貸経営塾

  • No.4「リスクに備える」

        

    賃貸経営の目的は、「土地等の資産を守る」「相続評価を下げる」「積極的に資産を増やす」など、オーナー様ごとに異なりますが、「収益を確保する」という点は共通です。

    そして収益を増やすには、「収入を増やす」か「支出を抑える」ことの2点に注力しますが、もうひとつ、「リスクを回避する」ことも重要なポイントです。

    今月は、この「賃貸経営のリスク」について考えます。

     


     もっとも大きいのは、「空室の長期化」「賃料の値下がり」「家賃の未回収損失」「修繕費用負担の増大」の4大リスクでしょう。

     

    最初の3つは「収入の低下」を招き、4つめは「支出の増加」に繋がるので、ともに収益を圧迫します。
    このリスクに「どのように」対処するかは、賃貸経営にとって重大な課題となります。

     

    ある地域に、同じ時期に同じようなタイプの賃貸物件を建てた、A氏とB氏がいました。年齢も経歴も資産状況も似ていて、「賃貸経営のプロではない」ことも共通していました。二人に面識はなく、お互いの建物について知ることもありませんでした。

    二人の最初の10年は、ともに順調で、目立ったトラブルもなく、賃料の値下がりも空室も問題ありませんでした。次の10年になると、A氏の建物は、少し古さが目立ち初め、特に後半は、募集賃料の値下げや空室が見え始めました。一方のB氏の建物には、経年の変化による、わずかな賃料の値下がりはあるものの、問題となるほどの空室ではありません。

    築20年を過ぎたあとの10年は、A氏の建物は「築古物件」というイメージとなり、大きな値下がりと、3割を越すような空室が続きました。

    B氏の方は、次の20年を見据えてリノベーション工事をしましたので、賃料は「新築時並み」とはいかないものの、相応のレベルを維持して、稼働率も9割を下回ることはありません。

     

    築30年~40年の10年は、A氏の建物は完全に「老朽物件」となり、入居している部屋は5割程度で、長く暮らしているか、低額家賃にしか住めない方たちの住まいとなっていました。近所でも「古くて寂びたアパート」と認識されています。
    B氏の建物も、さすがに「古さ」は感じるものの、いつも綺麗に整備されていて、取り壊される最後まで、8割以上の稼働率を堅持しました。この10年は「定期借家契約」に切り替えたので、立退料の負担も最低限で済ますことができました。

    双方とも、相続した子供の時代になっていましたが、A氏の長男は、「不良資産を相続した。2度と賃貸経営はゴメンです」と言い、B氏の長男は「古くても、手入れの行き届いた優良資産でした。取り壊しても、また賃貸物件を建てます」と語りました。

    A氏とB氏の二人の差は「どこ」から生まれたのでしょうか。
    2つの賃貸物件の運命の分岐点は「どこ」にあったのでしょうか。

     

    賃貸経営を開始するとき、B氏は「賃貸経営のリスク」を承知していて、それに「備えなければならない」と思っていたので、「足りない分は自分で補うか、専門家の知識と経験に頼るしかない」と考えていました。

    それに対してA氏は、「賃貸の経営は難しくはない。建てて貸すだけだ」と考えて、募集や集金は外部に頼りましたが、それ以外は何の手もうちませんでした。

    二人の行動で大きく違うのは最初の10年です。

    専門家のアドバイスを受けたB氏の方針は、「20年でローンを完済する」「20年後に大規模な再生工事をしなければならない」「そのための備えをする」というものです。
    具体的には、順調に入ってくるキャッシュフローを計画貯蓄に回し、退去時には「原状回復にプラスアルファの工事」を実施しました。原状回復工事だけでは補えない「ちょっとした部分」の修繕や取り替え工事です。
    一方のA氏は、退去時には原状回復工事のみですが、それでも経営は順調で、入ってくるキャッシュは残さず、ほとんど消費していました。

    10年を過ぎたあとも、B氏は外壁塗装や室内設備の交換や追加を積極的に行います。
    その分キャッシュは減っても、「物件力」が維持できて、経費計上で税額を抑えることができます。
    A氏は、「設備は壊れたら修理か交換で対処」「外壁は築15年経ったときに初めて再塗装」「募集も、3~4ヶ月決まらなければ値下げする」という対応でした。

     

    B氏は20年でローンを完済して、予定していた再生(リノベーション)工事を、貯蓄と新たな10年ローンで実施しました。
    B氏はこれを「第二の創業」と言い、間取を変えて、設備を一新して、「次の20年」を踏み出したのです。

    そのときA氏の物件は、「老朽物件への坂」を転がり続けていたのですが、本人は気付かずに「これが賃貸経営というもの」と思い込んでいました。

    A氏もB氏も、二人とも「賃貸経営のプロ」ではありません。「素人」と言った方が正確です。

    B氏は、「築年数が新しいときは良いが、古くなってきたときにプロと素人の差がでる」と認識していたので、「専門家のアドバイス」と「順調なときに備えておく」ことを大切に考えていました。そのために、「20年で完済」「20年後に再生工事」「修繕は築浅時代からコツコツと」をモットーにしました。

    それに対するA氏の、「賃貸経営は誰でもできる」「問題が起きてから対応する」「古くなれば(ある程度の)値下がりや空室は仕方のないものだ」という考えの違いが、30年40年後に大きな差を生んだのです。

     

    もちろん、B氏の選択がベストということではありません。40年を、大がかりな再生工事なしでも、高い稼働率で乗り切ることは可能でしょう。重要なのは、この期間に稼いだ収益や、手元に残したキャッシュフローの総額です。

    「空室」「値下がり」「未回収損」「修繕費増」という4大リスクは賃貸経営にとって避けて通ることはできません。しかしリスクを予知して、新築時からしっかり対応すれば、そのリスクは最小限に食い止めることができます。リスクの存在を知らずに、何の対策も講じなければ、最大の波を被(かぶ)ることもあります。「順調なときにこそ問題が芽生えて」います。
    最初の10年の「儲かる時代」に収益だけを得て、将来のために何の手立ても講じなかったら、最後の10年が「どうなるか」は、想像に難(かた)くないでしょう。

    賃貸経営は、建物を取り壊し解体したときに、本当の評価が下されます。

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