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賃貸Q&A

  • 迷惑行為の借主をを追い出すことは出来ますか?

    2020年9月21日

        

    夜中に大声を出したり呪文のような独り言をブツブツという入居者がいて隣の方が気味悪がって出て行ってしまいました。大家としては大損失です。
    この借主さんと契約を解除して出て行ってもらうことは出来ますか?

    A.訴訟を起こして、借主さんの継続的な迷惑行為によって「貸主との信頼関係が破壊された」と認められたときは、契約を解除して退去させることが可能です。そのためには「迷惑な音を出していること」を立証することと「その音が限度を超えていた」と認められ、しかも「貸主との信頼関係を壊した」と裁判所に判断してもらう
    必要がありますので簡単ではありません。順を追って説明しましょう。
    まず、「迷惑」と感じるのは個人差があります。退去した隣室の借主さんだけでなく、階下や他の部屋の方はどう感じていたのか、という事実が重要です。一般的な社会生活で我慢すべき限度を「受忍限度」といいます。今回は「音と行為」が問題ですので、音量、音の内容、時間帯、頻度などで総合的に「受忍限度を超えているか」が焦点になります。そして「継続的に」と申したとおり一回限りのことなら契約解除はやりすぎですので「注意をしても迷惑行為を続けた」という事実が必要になります。限度を超えた行為が継続的に行われて、他の借主が迷惑を被っているなら、これは契約違反と義務違反にあたりますので契約解除の可能性が出てきます。
    つぎは「貸主と借主の信頼関係が破壊された」と認められる必要があります。「借主の契約違反だけで十分でしょう」と思うでしょうが、大家さんが「あの借主は信頼できない」と思っただけではダメなのです。
    その迷惑行為の「程度」と、この契約が締結されるときの「経緯や契約内容」、さらに、借主へ「やめて欲しい」と告知して借主が「どう対応したか」ということが総合的に判断されるのです。受忍限度を超えた行為が継続的に行われて、それが貸主借主間の信頼関係を破壊したと認められるという2つのハードルを越えなければならないところが賃貸借契約解除の難しいところ、とご理解ください。
    では具体的にどうすれば契約を解除できるかを考えましょう。まず証拠が必要です。
    被害を訴える借主さんの証言を集めておきます。そして迷惑行為が、いつ(日時や時間帯)、どんな(音量や音の内容)、どれくらい(頻度)行われたのかを時系列で記録します。音を録音しておくことも重要です。
    証拠が集まったら行為を続ける借主に対して書面で是正を求めます。是正を求めた事実を立証するために「内容証明郵便」で送ることが有効ですが、話し合いによる決着を望んでいるなら、かえって相手が心証を悪くする場合もありますのでケースバイケースで判断してください。この是正の勧告は1回だけでなく複数回送るのが望ましいです。そして、それでも行為を続ける場合は契約解除と退去要求を行う、という順序になります。交渉を繰り返しても従わないときは、最後は「訴訟」という方法しかありません。そのために証拠を集めたのです。
    最後にアドバイスをさせていただきますが、賃貸借契約書には「迷惑行為を禁止する特約」を明確に設けておいてください。
    特約がなくても契約解除は可能ですが、有った方が有利なのです。