アパートの外階段で入居者がケガ、貸主の責任は?|武蔵浦和の賃貸のことなら別所不動産

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  • アパートの外階段で入居者がケガ、貸主の責任は?

    vol.9

        

    Q.築25年の木造アパートの2階に住む70歳の男性入居者が、外出時に鉄骨の外階段を降りる際に、足を滑らせて下に落ちてしまいました。足首の捻挫で済んだのは幸いでしたが、その後、近所に住む息子さんから「階段の手すりが“グラついた”のが原因だから損害賠償してほしい」と言ってきました。貸主に責任はあるのでしょうか。



     A.その「手すり」の状態は?

     

    Q.25年間で補強工事はしていません。寄りかかると「グラッと傾く」感じです。

    A.いままで事故はありましたか?借主から修繕要望や苦情があったり、貸主さんご自身は事前に知っていましたか?

    Q.事故は今回が初めてで、他の借主さんからの要望や苦情もありませんでしたが、定期点検のときに、少しグラつくので「心許ない」という報告を受けていました。

    A.まず貸主に「工作物責任」があります。これは、民法717条で規定されている「土地の工作物等の所有者の責任」のことです。それには「階段の手すり」も含まれます。
    ここに「瑕疵」があって他人に損害を与えた場合は、所有者である貸主に責任がある、とする法律です。「瑕疵」とは、普通なら備えているべき安全性を欠いていることを言います。これは、賃貸経営を業とする貸主の大きな「リスク」ですので覚えておいてください。

    今回のケースは手すりが外れたのではなく、手すりを掴んだら「グラついて傾いた」のでバランスを崩した、という事故だと思います。

    もし「手すりが外れた」なら、貸主は損害賠償責任を負うことになるでしょう。手すりには、借主が「よりかかる」ことは予想できますから、それが外れるのは、「通常は備えるべき安全性を欠いている」と言えますね。

    ただその場合であっても、通常より強い力で手すりに寄りかかった場合・・・。たとえば4~5段上から足を滑らせて落下し、手すりに強く「寄りかかった」等の事情があったなら、「過失相殺」ということで貸主の責任が減額されることもあり得ます。

    さて今回は「外れた」のではなく「グラついた」ことによる事故ですから、階段の手すりが少しグラつく程度で「本来あるべき安全性を欠いている」といえるのか。
    もうひとつは、「そのグラつきが原因で借主が転落したのか」、という点を確認する必要があります。

    70歳のご老人が階段を降りる際には、手すりに「しっかりとつかまって」一歩一歩と降りる姿は想像できますね。
    あと数段のところで手すりがグラついて、それが原因で足がもつれて、下まで滑り落ちた・・・。ということなら「グラつきが原因で転落した」と言えるかもしれません。
    もちろん、この場合の「ご高齢」は、借主の落ち度にはなりません。したがって、どんな状況で事故が起きたのか、その事実関係や一連の流れを調べる必要があります。事実によっては、賠償額は相当程度減額される可能性もあります。

    今回の重要な教訓は、賃貸経営を行う貸主にとっての「リスク」を忘れない、ということです。
    通路・階段・窓・鍵・ベランダの手すり等の、入居者の安全に関わるものについては、定期的なチェックと予防措置がとても大切だということをご認識いただけたら幸いです。

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