オーナー様の賃貸経営をサポートするための賃貸管理メニュー。
そのメニューは、どのようにオーナー様の役に立っているのでしょうか。
今月は、そのひとつひとつを検証してみることにします。
入居募集
管理メニューの先頭に「入居募集」という項目が必ず並んでいます。「入居募集」というと、インターネット等でオーナー様の貸室を告知して、お客様をご案内、申込みを受付けて契約締結、そしてご入居いただく・・・という一連の流れと認識されているオーナー様が多いでしょう。もちろん、一言でいえばその通りなのですが、それほど単純な活動でもありません。 |
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もうひとつ、入居募集で重要なのが「入居審査と保証契約」です。
お部屋が早く決まっても、共同生活のルールを守れずに、他の入居者に迷惑を及ぼすような借主を選ぶワケにはいきません。
そのような入居者がはびこると、善良な借主が静かに出て行ってしまいます。
この「借主のグレード」を落とさないために、お申込みいただいた入居希望者の属性を元に「入居審査」を行いますが、この審査ノウハウが、このメニューの要(かなめ)といえるでしょう。そして入居時に借主に共同生活のルールを説明して、しっかり理解していただきます。
壁一枚隔てたところでお互いが生活する、という事実を認識していただく必要があるのです。
もちろん、家賃を滞納するような人も避けねばなりませんので、保証会社か借主の身内による個人の保証契約でしっかりとオーナー様の家賃の保全を図ります。
クレーム対応
二番目に「クレーム対応」というメニューが並んでいます。 |
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たとえば騒音などの「人的クレーム」は、「音を出す人」と「苦情を言う人」に分かれすが、クレーム対応の目的は、双方が納得して、元の平穏な生活に戻っていただくことにあります。
交渉が決裂して片方か、あるいは双方が退去してしまう事態は避けることを念頭において行動します。そのために入居時に、「共同生活なので生活音は聞こえる」ことの認識と、「だからお互いに注意して暮らす」ことの大切さを説明します。
「お互い様」という認識を理解いただくのです。また騒音発生に構造的な原因があれば、防音工事などを提案します。
設備の不具合による「設備的クレーム」は、素早く対応して修繕することはもちろんですが、定期的な点検で事前に交換や修理することによって、クレームを未然に防ぐことができないかを検討します。
建物内のクレームは「ゼロ」には出来ませんが、クレームを処理することでオーナー様の施設の運営が改善され、暮らしやすい環境になることを目指しています。
解約・退去処理
三番目は「解約・退去処理」というメニューです。この「解約・退去処理」には、実は重要なテーマが3つあります。 |
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2つめは、入居者の退室と敷金返還をスムーズに処理すること。
解約時には原状回復工事が必須となりますが、その費用負担を、契約書で合意した通りに遂行するように借主と調整します。
特に、借主の過失や使用方法の問題で汚損などが発生したときは、しっかりと請求することで、オーナーの余分な出費を防ぎます。
敷金返還トラブルの数は減ってはいますが、注意を要する作業です。
3つめは、原状回復工事とは「別の工事」の提案です。 |
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日常清掃および 定期点検とメンテナンス
最後に「日常清掃・定期点検・メンテナンス」というメニューです。
「日常清掃」が定期的に実施されずに、いつも共用部分が汚れていたら、いつかは住み替えたいと考えている「潜在的退去者」を増やしてしまうでしょう。そういう意味では「日常清掃」にも「空室対策」という一面があります。
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同じように「定期点検とメンテナンス」も重要なメニューです。当たり前のことですが、オーナー様の収益を確保するためには「無駄な支出を減らす」ように目を配ります。これは見方を変えると「必要なものには支出する」ということになります。その「必要なもの」の代表が建物設備のメンテナンス費用なのです。建物の30年以上の生涯の中で、修繕や取替えが必要な項目とおおよその時期は分かっています。 |
このように、メンテナンス工事は必要不可欠ですが、その費用を無駄なく効果的に使うためには、最適な実施時期を知る必要があり、そのための定期点検なのです。
日頃の管理メニューには、表面的な作業の中に、オーナー様の収益を守るための目的や手段が含まれています。